2008年 1月25日
Posted by 江 建 クライアントサービス

広告費をかけて自社のサイトにトラフィックを集めた場合、広告のリンク先ページには費やした金額分の価値があります。そのページの直帰率が高いと、費やした金額が大きな損失となります。前回の投稿では、Google Analytics のレポートを利用して、パフォーマンスの悪いキーワードの分析を行いましたが、今回はその続編として、リンク先ページの改善についてご説明いたします。

広告をクリックした際に誘導するランディングページとして、どのようなクリエイティブが最もユーザーに受け入れられるかを客観的に特定するためには、候補となるページを複数用意してテストすることが適切です。

クリエイティブテストを行えば、異なるクリエイティブが訪問者に与える影響を計測することができます。 テストの結果により、ユーザーの反応が最もよいコンテンツを特定できるため、費用対効果の高いランディングページを制作することができます。

ランディングページの改善は、以下の点で、通常のウェブサイトのリニューアルと異なります。

1.キーワード広告の費用対効果を高めることにフォーカスする
2.サイト全体を作り変えるのではなく、1ページの小さなテストを繰り返す
3.テスト結果でクリエイティブ良し悪しを判断し、ウェブサイト制作の経験や勘だけに頼らない

ランディングページのテストには、Googleのプロダクトである「ウェブサイトオプティマイザー」を活用しましょう。ウェブサイトオプティマイザーには、ABテストと多変量テストの二つの方法がありますが、より簡単にご利用頂けるABテストについてご説明します。

ABテストは、直帰率の高いランディングページに対して、改善案をAとBの2パターン用意し、ウェブオプティマイザーの設定により、一定の割合でAとBの2つのコンテンツを振り分けて配信し、どちらのパターンがより効果的にユーザーをゴールに導けるかを比較するものです。

ABテストのポイントは、AとBの比較箇所を1箇所に絞ることです。掲載画像、キャッチコピー、フォントやカラー、リンクボタンの位置など、両者の違いが複数ありますと、どの要素が結果に影響を与えたかを判断できなくなります。複数の要素が異なるページを比較する際には、多変量テストを利用しましょう。

では、どのような要素に着目して、ABテストを行えばよいでしょうか?一枚のリンク先ページを構成するいくつかの要素のうち、テストすべき要素は次の3つが基本です。

1.アイキャッチ
2.オファー
3.アクションデバイス

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アイキャッチは、サイト訪問者の注意を喚起するために非常に重要です。訪問ユーザーへの直感的印象が良くなければ、ユーザーは離脱します。
商品やサービスのベネフィットを簡潔に示すデザインやキャッチコピーを作りましょう。たとえば、求人ポータルサイトの場合、メリットが複数あり、求人件数が最大規模、非公開求人情報が他社よりおおい、専門分野の特化、キャリアコンサルタントによる相談や年収交渉がある、外資系に強い、多くの利用者の存在のどれをアイキャッチとなる要素に盛り込めばよいか判断に迷った際にはテストしてみるとよいでしょう。

オファーは、今それを購入してもらったり、会員登録してもらったりするために後押しするための仕掛けです。ドラマチックなオファーを仕掛けることで、ユーザーのコンバージョン率が変わります。
割引を提示したり、締切日を設定したり、顧客にとって価値のあるプレゼントを提供したりしましょう。

最後に、アクションデバイスは、ランディングページからユーザーに次に行ってもらいたいことを示し、誘導させるための要素です。多数の情報が混在するなかで、一目でどこから商品購入やお申し込みができるかをわかりやすくすることが重要です。
そのためには、ボタンの配置や配色だけではなく、ラベリングも重要になり、そのボタンやリンクをクリックすると、どんなページに遷移するかを簡潔かつ明確に示す必要があります。


上記のポイントさえ踏まえれば、簡単に設定してテストできますので、ウェブオプティマイザーをご活用し、キーワード広告の費用対効果を高めていきましょう。


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