2008年 3月 25日
Posted by 小杉 国太郎 クライアントサービス


フィルタには前回の記事でご紹介した既定のフィルタとカスタムフィルタがあります。既定のフィルタは、カスタムフィルタのうち利用頻度の高いものを簡単に設定できる入力フォームで、機能はカスタムフィルタと変わりません。

たとえば、既定のフィルタの「サブディレクトリへのトラフィックのみ含める」は、カスタムフィルタの「次を含む (一致フィルタ)」とフィルタフィールドから「リクエスト URI」を選択したフィルタと、まったく同じデータのフィルタリングを行います。

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カスタムフィルタには、一致/除外フィルタ、検索と置換フィルタ、アドバンスフィルタが含まれます。このカスタムフィルタを使うと、特定のデータを含むセッションだけを抜き出したり、または除外したり、特定の文字列で記録されたデータを他の文字列に置換するなどの加工ができます。この特定のデータを抽出する際に利用するのがフィルタ フィールドとフィルタパターンです。


*フィルタ フィールド
フィルタフィールドではフィルタの対象となる、データのフィールドを選択することができます。たとえば特定のページのアクセスのみを抽出する場合は、フィルタ フィールドから"リクエスト URI"を選択します。各フィールドの詳細につきましてはこちらのヘルプページをご覧下さい。

*フィルタ パターンと正規表現
フィルタパターンではデータの抽出条件を指定することができます。条件の指定には正規表現を使うことができるので、複数の条件を定義することが可能です。
















たとえば、上図のサイトから /club/ 以下と/wear/ 以下の両方のアクセスを抽出する場合、フィルタパターンには下図のとおり OR 条件を意味する『 | 』と、複数の正規表現を一つにまとめる『( )』を使用します。『 ^ 』は前方一致として処理を行うための正規表現で、各ディレクトリ以下の全てのページを抽出することができます。










*複数の一致フィルタの注意事項
『 | 』を使用せずに、抽出したいサブディレクトリ毎に複数の一致フィルタを作成して、それを1つのプロファイルに適用するとデータは表示されなくなります。これは複数の一致フィルタを適用した場合、データの絞込みがAND条件で行われてしまうためです。下図の例では、実際にはあり得ない、/club/ ディレクトリと/wear/ ディレクトリに同時にアクセスしたセッションを抽出するフィルタリングが行われ、結果的にデータは0となってしまいます。同一のフィルタ フィールドに複数の条件を指定したい場合は、必ず正規表現を使用して1つのフィルタで定義するようにしてください。














*AdWords ユーザーのアクセスのみを抽出するフィルタ
複数のフィルタを作成して、それをプロファイルに適用すると、高度なデータ抽出ができます。たとえば、AdWordsのキャンペーンを行っていて、Google AnalyticsでAdWords広告経由のユーザーのみを抽出したい場合を想定しましょう。このデータを抽出するには下記の二つのカスタムフィルタを作ります。

1) 参照元が Google であるセッションを抽出するフィルタリング
フィルタフィールドの[キャンペーンのソース]は、[全ての参照元]レポートの参照元にあたりますので、フィルタパターンはgoogleと入力します

2) メディアがcpcであるセッション抽出するフィルタリング
フィルタフィールドの[キャンペーンのメディア]は、[全ての参照元]レポートのメディアにあたりますので、フィルタパターンをcpcと入力します。














上記の2 つのフィルタをプロファイルに適用することで、AdWords ユーザーだけの経路分析を行う事ができます。なお、AdWords をAnalyticsでトラッキングするには、両アカウントの連携を設定する必要がございます。詳細につきましてはこちらのページにございます、各トピックをご覧下さい。

※フィルタは設定方法を間違えると、データが表示されなくなる危険があります。フィルタはマスターデータ用のプロファイルではなく、複製したプロファイルに適用するようにしてください。詳しくはこちらのヘルプ記事をご覧下さい。